基板設計
電子回路に使われるプリント基板の部品配置や配線を設計する技術
部品配置や電源配線の最適化を行い、信号のクロストークや電磁干渉を抑え、信頼性と性能を向上させる技術となります。
アウトソーシングテクノロジー(OSTech)では、アナログ・デジタル回路の基板設計に加え、高周波回路や電源回路など、それぞれの用途に特化した基板設計が行える、専門知識と経験を持つエンジニアが在籍しています。
また、EMC対策や熱解析、応力解析など、基板設計に必要な技術を保有したエンジニアも在籍しています。
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高密度実装基板設計概要
電子部品の高密度実装に関連する基板設計技術です。
【大型部品と小型部品の混載レイアウト】
日々、技術の進歩によって部品の小型化が進み、同じ機能、同じ性能でも実装面積が少なく済むようになってきました。しかし、小型化が難しい部品等も一定数存在するため、大型部品と小型部品を混載した場合のレイアウト技術が必要になります。
【発熱・放熱 対策】
近年、電子機器の高機能化や高付加価値化によって基板上の部品や配線の密度が高くなる傾向になっています。高密度実装となることで電子部品の排熱や放熱が悪くなり、電子機器や装置の寿命を短くしてしまうということが問題視されています。当社では、これまでの知見や経験を活かして、発熱が予想される部品同士の距離を離したり、放熱しやすい位置に実装したりといった工夫をあらかじめレイアウト時に行います。
【ビルドアップ基板】
電子回路が載った電子基板には、部品と部品とを繋ぐ配線パターンが必ず必要となります。年々小型化の傾向を強めている電子機器にとって配線パターンが占めるスペースがボトルネックとなってしまいます。ビルドアップ基板では、この配線を平面から立体へ移すことで配線パターンのスペースを考慮しなくて済むという、基板の小型化に貢献する技術です。
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高周波基板設計概要
高周波回路を設計する上で特性に影響する項目を重視して、基板設計を行う技術です。
【基板材料】
基板材料は、電子機器や電子回路の基礎となる重要な素材です。通常、非導電性の材料であり、主にガラス繊維強化エポキシ樹脂(FR-4)やフェノール樹脂(FR-1)、ポリイミド、セラミックなどが使用されます。
【インピーダンスコントロール】
高周波回路では配線パターンも高周波部品として機能します。インピーダンスが設計どおりでない場合、狙った性能が確保できない可能性があるため、必要に応じて配線パターンのインピーダンスコントロールを行います。
【ノイズ・干渉・不要輻射 対策】
高周波回路基板では伝送線路間やその他の電源線・信号線間の空間結合がノイズや発振の原因とならないように、シールド配線やシールドビアを配置することはもちろん、アンテナとなって不要輻射の原因となるようなパターンを作らない等、高周波の知見や経験が必要なレイアウト技術です。
【発振対策】
信号増幅を行うアンプをともなう高周波回路では、発振してしまうという問題がしばしば発生します。回路のマッチングの問題であれば定数変更により対応可能ですが、パターン変更をともなう対策が必要な場合には、大きな手戻りが発生して開発スケジュールに影響がでてしまいます。初期の時点で可能な限り発振を考慮したレイアウトを行うことでリスク低減を行います。
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電源回路基板設計概要
大電力(高電圧・大電流)に耐えうる安全で高耐久な基板を作製するための設計技術です。
【基板材料選定】
電源回路用の基板では大電流・高電圧を扱う場合も多いため、絶縁性や耐熱性、難燃性といった特徴の材料を選択する必要があります。さらに、使用環境によっては耐湿性や耐久性の高いもを選択する必要もあり慎重な材料選定が不可欠になります。
【配線幅】
電源回路では大電力を扱うことが多く、導体厚を厚くするだけでは対応しきれないため配線幅を広くする等の対策が必要となります。扱う電力に応じて最適な幅で設計を行います。
【絶縁距離】
高電圧がかかる電源パターンでは周辺のグランドやパターンから十分な絶縁距離をとらなければ、最悪の場合、ショートしてしまい破壊や発火してしまう危険性があります。
【シールド】
大電流・高電圧が流れる配線パターンが信号パターンと並行になることでノイズが伝搬し、回路が正常に動作しなくなったり発振が発生したりという問題が発生することがあります。そのため、電源線と信号線を平行に配置しないことにくわえて、線間にグランドパターンを配置する等のレイアウトによる対策を行います。
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EMC対策基板設計概要
電磁ノイズの放射を抑制したり、耐性を強化したりすることで安全で安定した動作が行える回路基板の設計を行う技術です。
【EMC:電磁両立性】
電磁ノイズを放出して周囲の電子機器に影響を与えないこと(EMI)、周囲の電子機器からの電磁ノイズの影響を受けないこと(EMS)を含めてEMCと呼び、電子機器の基板作成において考慮する技術です。
【EMI:電磁波妨害】
電子機器が不要な電磁ノイズを放出し、その電磁ノイズによって周囲の電子機器が誤動作しないようにする必要があります。この不要な電磁ノイズの放出を抑制するためにレイアウト時に様々な対策をしておくことが重要なため、知識と経験が必要な技術になります。
【EMS:電磁感受性】
電子基板の配線パターンによって電磁ノイズが発生する場合があります。そういった場合の対策として配線パターンを見直し、電磁ノイズの放射を抑制したり、耐性を強化したりすることで、安全で安定した動作が行えるよう回路基板の設計を行う技術です。
設計補助
(CADオペレーター)CAD図面作成・編集技術
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電気系CAD設計
電気設備図、単線接続図、複線接続図、展開接続図、裏面接続図、系統図等を設計担当者からの情報をもとに、電気CADを用いて作成する補助業務に対応しています。
【電気設備図】
建物内の照明設備、スイッチ、コンセント、換気扇、通信設備、スピーカー、火災報知器等の位置を示した図面
【単線接続図】
受変電設備、分電盤、制御盤内の接続方法、遮断機や変圧器の容量など、電気設備の接続状況を1本線で表した図面
【複線接続図】
配線を実際の接続本数で記載し、各機器の端子番号を図番号・文字番号・器具番号で表示することで単線接続図をより具体的に示した図面
【展開接続図】
単線接続図や系統図などについて接続をより具体的に示し、機器制御の操作順序にしたがって展開した図面
【裏面接続図】
配電盤や制御盤内部の器具配置や器具相互の接続を詳細に示し、実際の配置や結線を器具の端子を含めて具体的に示した図面
【系統図】
複数の機器や設備を複合したもの全体を示し、電気設備の配置、接続方法、配線ルート等の詳細を記載した図面