信頼性試験(機械系)
開発した製品が工業規格や製品仕様を満足しているのか評価を行う技術
機械系の信頼性試験では、主に構造的な評価に対応する技術が求められます。
機械系の信頼性試験は、大きく分けて「材料の性能評価」と「製品を組み立てた後の機能評価」の2つの評価があります。アウトソーシングテクノロジー(OSTech)では、それらの様々な試験に対応可能なエンジニアが在籍しています。
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落下試験
落下試験は、機械設計において製品の耐久性と耐衝撃性を評価するための試験です。試験では、設計された機械を特定の高さから落下させ、その際の振動や衝撃による機械の損傷や故障を確認します。試験結果を元に、設計の改善や材料の選定など、耐久性向上のための修正が行われます。この試験は、実際の使用状況において機械が受ける可能性のある衝撃や振動を模擬するため、製品の品質向上に不可欠な手法となります。
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IP試験
IP(:International Protection)試験とは、防塵試験や防水試験のことで、各工業規格(JIS規格、IEC規格等)の保護等級に対応した条件で試験を行います。OSTechには、「防塵試験(耐塵試験)」や「防水試験(水没試験や耐水試験)」などの様々な試験に対し、評価の経験や知見のあるエンジニアが在籍しています。
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振動試験
振動試験とは、部品、機器および製品が輸送中または使用中に振動を受ける場合を模して、 正弦波を与え、その影響を確認する試験です。
各工業規格(ISO規格、JIS規格、IEC規格等)で定められた条件をもとに評価します。
評価には、正しい方法での検証が求められ、それぞれの機械的な振動に対して、適切な評価方法を選定し、評価を行う必要があります。主に、正弦波(サイン波)振動やランダム振動による耐振性能を確認しますが、固有振動数(共進周波数)の測定、耐久試験にも対応しています。 -
温度試験
各工業規格(ISO規格、JIS規格等)で定められた条件をもとに温度環境の変化に生じる耐久性を評価します。温度サイクル試験、熱衝撃試験、温湿度サイクル試験、高温・低温保存、蒸気加圧試験、温度・減圧複合試験等の評価を行っています。
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加圧試験、減圧試験評価
規格で定められた圧力を一定時間加え、形状変化や大きな漏れがないことを確認する試験です。評価は、各工業規格(ISO規格、JIS規格等)で定められた条件をもとに行います。
非常に危険な試験となるので安全に配慮した手順で行うことが重要になります。OSTechでは、評価だけでなく、評価結果について考察や解析を行い、設計へのフィードバックも実施しています。
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衝撃試験
衝撃試験では、「製品に対して衝撃的な力が加わるときの抵抗」「材料のねばり強さ(靭性)」「もろさ(脆性)」を判定するために行う材料試験です。製品に負荷される荷重の種類から、「引張」「圧縮」「曲げ」「ねじり」などのいずれかに分類される評価を行います。衝撃試験では、各工業規格(ISO規格、JIS規格等)で定められた条件をもとに次のいずれかの評価を実施しています。
【シャルピー衝撃試験】
切り欠きの入った角柱状の試験片の両端を固定し、その試験片に振り子式のハンマーにより衝撃荷重を与え、試験片を破壊します。この試験により、「破壊に要したエネルギー」と「衝撃に対する強さ(靭性)」を評価しています。
【アイゾット衝撃試験】
切り欠きの入った角柱状の試験片の片側を固定し、もう一方の片側に振り子式のハンマーにより衝撃荷重を与え、試験片を破壊します。この試験により、「破壊に要したエネルギー」と「衝撃に対する強さ(靭性)」を評価しています。
【引張衝撃試験】
振り子式のハンマーにより試験片を高速で引っ張り、強度を評価する試験です。
シャルピー衝撃試験やアイゾット衝撃試験では衝撃荷重が大きすぎて評価ができない材料のほか、薄い材料や柔らかい材料などに対して行います。この試験で、引っ張りによる外力に対する耐性(引張強度)を評価しています。【落球式衝撃試験】
特定の高さから固定された重さのある球体を落下させ、試料に衝撃を与えることで強度を評価する試験です。この試験によって、硬質プラスチック・塗膜等の耐衝撃性を評価しています。
【デュポン衝撃試験】
塗膜(コーティング材)やプラスチックシートの強度を評価する試験です。
試験片の中央部分に円柱状の撃ち型を落下させ試験片を破壊します。このときの試験片の破壊面積や裂け目の長さ、形状などから、耐衝撃性の評価を行っています。【ダートインパクト試験】
航空宇宙産業などで使用される機器や部品の堅牢性を評価する試験です。飛行中に高速で飛来する小石(ダート)を模した球体(ダートボール)を落下させて材料の破壊を確認する試験です。この試験により、「機器や部品の堅牢性や耐久性」「フラグメンテーション(破片飛散)」を評価しています。
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機械特性評価
機械特性の評価条件は工業規格で定められているものが多く、安全で信頼性を確保した製品を作るうえで欠かせない評価になります。
【強度試験】
各工業規格(ISO規格、JIS規格等)で定められた条件や手法にもとづき強度に関する評価を行います。材料や製品の強度を測定する試験方法として「引張試験」「圧縮試験」「曲げ試験」等の評価を行っています。
【破壊試験】
各工業規格(ISO規格、JIS規格等)で定められた条件や手法にもとづき破壊や亀裂が入るまでの時間や、圧力に関する試験の評価を行います。さまざまな種類の非鉄金属の試験片を用いて「延性破壊」「脆性破壊」「疲労破壊」「応力腐食割れ」「クリープ破壊」「ねじれ試験」等の評価を行っています。
【耐久試験】
各工業規格(ISO規格、JIS規格、IEC規格等)で定められた条件をもとに幅広い分野の評価を行っています。
主に、「ケーブル耐久試験」「押しボタン耐久試験」「バネ試験」「自動車のシート・稼働部品耐久試験」「クランクシャフト耐久試験」等の試験を評価しています。 -
受け入れ検査
設計し発注した部品が、購入仕様を満たす仕上がりになっているか、評価・確認を行います。
【寸法確認】
図面に示されている寸法や、幾何公差を測定して、図面どおりの公差内に加工、組み立てがされているか確認する検査です。ハイトゲージや三次元測定機、マイクロメーターあるいはノギスなどを用いて寸法測定を行い、実際に加工されたものがその公差内に収まっているか評価します。さらに、寸法検査の結果をフィードバックし、より品質の高い部品や製品の製造に貢献します。
【外観確認】
外観の仕上がりに問題がないかを確認します。金型品であれば、金型、成型上の問題などがないか、目視および顕微鏡を用いて部品が仕様を満足しているのか確認しています。
【2次加工信頼性確認】
2次加工処理(印刷、塗装、メッキ、蒸着など)において、信頼性評価を行い性能が満足しているのか確認しています。
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自動車評価
<代表的なものを一部掲載>【性能評価】
エンジンを開発するうえで効率よくトルクを発生させるためには、「吸入空気量」「燃料噴射量」「点火タイミング」等のパラメータを最適化する必要があります。これらのパラメータはECUデータの設定を変更することで調整可能であるため、「設定の変更⇒測定」を行い、得られたデータを解析しながらパラメータの最適化を行います。
【排ガス・燃費評価】
各国で決められた試験方法(EPA、CARB、WLTP、国6など)に従い適正な条件下で試験し、評価を行います。評価項目で満足のできない結果となった場合でも、取得データから解析を行いチューニングすることで適正化することができます。
【耐久評価】
自動車を開発するうえで必要な性能(走る、止まる、曲がる)を評価することに加え、長期間使用されることを想定し様々な環境の中で耐久試験を行います。あらゆる場面を想定した試験を行い、安全性能や運動性能がどれくらい影響を受けるのか評価することで自動車の安全性を評価しています。また、不具合が発生した場合には、原因分析を行い課題の解決を行っています。
【OBD評価】
自動車の法規に関わる部品が故障した際に機能するOBD(On-Board Diagnostics)が正常に機能するのか評価します。
また、故障検知として、どのように故障を発見するのか、ロジカルなシステム構築を行い、実際に検知可能か検証、評価も行います。
設計補助(信頼性試験対応)
製品の試験・評価のアシスタント業務を実施
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実験アシスタント
開発の初期段階において、企画が通る前に実現性の実証実験作業の補助を行います。
【機械設計補助】
・商品企画のコンセプト通りの寸法サイズで設計可能かどうかの見極めを行うデータをまとめる
・他社品のベンチマークを機械設計視点で行い、自社製品の開発の参考データを作成する。
・商品企画のデザインに伴い機械設計的視点で懸念部分に対して部分的に強度評価を行う。【電気設計補助】
・商品企画のコンセプト通りの寸法サイズで回路規模を検討したデータをまとめる。
・他社品のベンチマークを電気設計視点で行い行い、自社製品の開発の参考データを作成する。
・商品企画のデザインに伴い電気設計的視点で懸念部分に対して部分的に電気特性評価を行う。 -
試験評価アシスタント
機械、電気・電子分野において、工業規格や製品仕様で要求される信頼性試験や評価の補助業務を行います。