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CAE

CAE

製品の強度や熱の課題に対し解析(シミュレーション)する技術

現代の機械設計現場における「CAE」は、開発期間の短縮や開発コストの低減を実現するために非常に重要な技術となります。
アウトソーシングテクノロジー(OSTech)では、試作や実験の業務負荷を軽減するために必要な「CAE」技術を持つエンジニアが在籍しています。

  • 熱解析

    熱伝導解析と熱流体解析は、熱の挙動や伝達を評価するための解析手法です。

    【熱伝導解析】

    物体内外での熱の伝導や熱分布を評価する解析手法です。物体の熱伝導特性、境界条件、熱源などの入力情報に基づいて、熱の伝導経路や温度分布を解析します。熱伝導解析は、熱伝導率や熱容量などの材料特性や熱源からの熱流入、熱損失などを考慮し、熱伝導現象をモデル化します。

    【熱流体解析】

    熱と流体の相互作用を評価する解析手法です。流体の流れや熱の移動によって生じる熱輸送や熱交換現象を解析します。流体の速度、圧力、温度、熱伝導率、粘度などの入力情報に基づいて、流れ場や温度分布、熱輸送量などを解析します。熱流体解析は、流体の流れや熱の挙動を正確に予測することで、熱交換器や冷却装置、暖房・冷房システムの設計や最適化を支援します。

    ≪伝熱の3形態≫

    伝熱現象は、次の3つの基本形態に分かれています。伝熱の形態によって解析する内容もそれぞれ異なります。CAEを活用して論理的な見解を得たうえで、開発を効率的に進めるように対応します。

    【形態①:熱伝導】

    熱が物質によって運ばれる現象のことをいい、固体または静止している流体の内部において高温側から低温側へ熱が伝わる伝熱現象。

    【形態②:熱伝達(対流)】

    流体が移動することによって発生する熱の移動のことをいい、高温から低温へ移動する伝熱現象。

    【形態③:熱放射(輻射)】

    物の熱が電磁波という状態で放出され、空気等の熱を伝える媒体を必要とせず高い方から低い方に熱が伝わる伝熱現象。

    ≪熱対策について≫

    放熱対策では、いろいろな放熱部品を使用することがあります。一般的に放熱効果が上がれば放熱部品自体の単価も上がってしまいます。しかも、放熱部品には製品の機能を上げる効果は期待できません。むやみに使用すると放熱効果は得られるが、必要以上に製品単価を上げてしまうといった、諸刃の剣となってしまいます。
    そうならないために、CAE解析を用いて正しく熱設計を行い、必要な放熱部品を適正な個所に配置する設計を行います。これによって、使用する放熱部品のランクを下げることが可能になり、最終的には製品単価の低減にもつながります。当社では、CAE解析を用いて熱設計(放熱設計)を行い、最適な放熱部品の選定と配置を行うことで、適正な製品単価となるような熱対策設計を行っています。

    熱対策部品の放熱効果と単価の関係 高い 低い 効果 高い 低い 価格 ヒートパイプ 放熱ファン 放熱フィン(ヒートシンク)放熱シート
  • 構造解析

    構造解析では、与えられた物体や構造物の形状、材料特性、外部負荷などの情報を入力として、数値計算や解析手法を用いて力学的な応力や変形、振動、破壊などを予測します。これにより、設計段階での構造の安全性や信頼性を確認し、必要な設計変更や強化策を検討することができます。

    【静解析】

    静解析とは、時間的な荷重の変化を考慮しない静的荷重(荷重が時間の変化に依存せず、一定の状態)を仮定した解析のことです。

    <応力解析・ひずみ解析>

    応力解析とは、製品の強度を評価するために物体内部の応力分布を解析することです。現実世界では、物体に応力がかかるとその物体は変形を起こします。この変形をひずみ解析によって求め、応力とひずみの関係を解析することで製品の耐久性や故障の有無、故障個所、変形量等を確認することで、設計の検証や改善を行っております。

    <塑性解析>

    物体に荷重をかけると物体には変形(ひずみ)が発生します。そののちに荷重から解放するとその物体は元の形状に戻ろうとします。かけた荷重が比較的軽い場合には、ほぼ元の形状に戻ります(ひずみがなくなる)。この状態を「弾性」と呼びます。しかし、ある一定以上の荷重をかけた場合には、変形したまま元の形状に戻らなくなります。この元に戻らない状態のことを「塑性」と呼びます。この塑性を解析することを塑性解析といいます。

    <大変形解析>

    大変形解析とは、物体や構造物の非線形な変形挙動を評価する解析手法です。従来の線形解析では考慮されない大きな変形や接触、剛体運動を考慮し、現実的な応力・ひずみ分布を予測します。これにより、弾性限界を超えるような応力集中や損傷箇所を特定し、設計の改善や強度評価をおこなっております。

    <接触解析>

    製品は最終的に組み上げられた状態で完成となります。このとき部品同士は接触した状態となります。接触解析ではこの「接触」に対して、初期状態での接触の有無や摩擦の有無等を考慮し、どのような荷重がかかり製品に対しどんな影響があるのかといったことを解析します。

    【動解析】

    動解析とは、慣性の影響を考慮した動的荷重(動きによって変化する荷重)を仮定した解析のことです。
    当社では、位置や速度等の状態量が平衡状態のもと、時間とともに変動する振動現象や外力が変化する現象を解析しております。

    <振動解析>

    振動体の固有振動数と等しい振動を外部から与えたとき、非常に大きな振幅で振動するような共振を避ける設計を行うために実施する解析です。

    <落下解析、衝撃解析、衝突解析>

    短時間において過大な負荷をうける構造物の過渡解析です。
    物体の衝撃・衝突・落下・貫通等の短時間に大きな変形を伴う、強い非線形性を持つ問題を解く解析です。