回路設計
電子回路の最適化手法で、信号処理や素子選定などを通じて性能向上を行う設計技術
信号処理、信号増幅、フィルタリングなどの要件に応じて、素子の選定や回路の構成、シミュレーションなどを行い、電子機器の性能や信頼性を向上させるための技術となります。
アウトソーシングテクノロジー(OSTech)では、省電力化や高速化といった要求に対応しながら、小型化や信号ノイズの抑制を追求し、優れた回路設計を実現するエンジニアが多数在籍しています。
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アナログ回路設計概要
主にアナログ信号を扱う回路を設計する技術です。
【フィルター設計】
各種、用途や周波数に合わせたアクティブフィルターやパッシブフィルターの設計を行います。電源や通信、音声等によるノイズを抑制し、回路が正常動作するよう最適なフィルターを設計します。
【電源設計】
電子回路を動作させるために必要なDC電源を商用電源から作成する場合に必要なAC/DCコンバータ回路の設計を行います。また、同一基板上に動作電圧の異なる部品や回路がある場合に必要なチョッパ回路(DC/DCコンバータ回路)の設計も行います。
電源回路によってノイズが発生し回路が正常動作しない場合もあるため、部品の配置や配線パターンの引き方にも工夫が必要となり経験とノウハウが必要な技術になります。【センサー応用】
デジタル信号を処理するマイコン等は単体で使用されることはなく、温度や圧力、光や音といった様々な情報をアナログ信号として取得するセンサーと組み合わせて使用されます。必要な機能に対して最適なセンサー部品を選定するところから回路の設計まで行うことはもちろんですが、各種センサーを使った応用技術等の提案も行います。
【アナログ回路シミュレーション】
PSpice、LTSpice、SIMetrix 等の回路シミュレーターを使用して回路を設計したり、逆に設計した回路の解析をしたりします。実際に試作する前にコンピューター上で動作確認することで、設計工期の短縮が狙えます。
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デジタル回路設計概要
PLD、CPU、FPGAを中心とした、デジタル信号を処理する回路を設計する技術です。
【マイコン周辺インターフェース設計】
各種インターフェース回路の設計
- ・ハードウェアインターフェース: USB、HDMI、イーサネット、PCI Express、IEEE1394、eSATA、RS-232、GP-IB、 etc.
異なるハードウェア間を繋ぐインターフェース回路のことで、各規格に対応する回路を作成することでメーカーの異なるハードとも接続可能になります。ただし、温度等の環境負荷や接続配線距離等が変化した場合でも規格を満足させる必要があるため、ハードウェアインターフェースの回路設計では電気的特性の評価や環境試験等も行います。 - ・ユーザーインターフェース: マウス、キーボード、タッチパネル、プリンター、モニター、 etc.
人とコンピューター間を繋ぐインターフェースのことで、もっとも身近でなじみのあるインターフェースといえます。特にスイッチ等は、人のON/OFFの仕方よって誤動作を起こしてしまう場合もあるため、いろいろな状況を想定した設計が必要となります。
【高速デジタル処理】
映像データや音声データ、温度、加速度といった情報をフィルタリング、解析、伝送を高速デジタル処理する技術。
高速演算処理に特化したDSPというプロセッサを使った回路設計を行います。【 PLD(Programmable Logic Device)】
ロジック回路や論理回路の機能をプログラミングによって柔軟に設計できるデジタル回路デバイスです。PLDにはプログラム可能なAND、OR、NOTゲートなどが含まれ、プログラミングによってユーザーが自由に接続して論理回路の設計を行います。
【CPU(Central Processing Unit)】
コンピュータの中央処理装置であり、命令の実行や演算処理を行うためのデジタル回路です。CPUを使った回路設計では、デジタル回路設計、アナログ回路設計、信号処理、回路間のインタフェース設計、電力供給および管理の他、高速信号伝送などの配線パターンの設計技術も必要です。これらの要素を適切に統合した設計を行います。
【 FPGA(Field-Programmable Gate Array)】
プログラム可能なロジックブロックや結線リソースを持つデジタル回路デバイスです。FPGAはプログラミングによってユーザーがデジタル回路を設計し、ハードウェアの機能を柔軟に再構成しながら設計します。
- ・ハードウェアインターフェース: USB、HDMI、イーサネット、PCI Express、IEEE1394、eSATA、RS-232、GP-IB、 etc.
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高周波回路設計概要
無線に関連する回路設計からアンテナ設計と製品の技適認証までを対応する高周波回路に関連した設計技術です。
【高周波回路】
業務用無線機、アマチュア無線機、船舶無線、基地局、特小無線、無線LAN、Bluetooth(BLE)、ZigBee、LPWA等の無線用高周波回路の設計を行います。また、高周波電源の設計も行います。
【アンプ設計】
無線の送信回路に不可欠なパワーアンプの設計から、LNA(受信回路)を使用する受信回路の設計を行います。
【アンテナ設計】
パターンアンテナ、パッチアンテナ、MIDアンテナ等のアンテナ設計、またはアンテナマッチング回路の設計を行います。 次の規格に対応した各種アンテナの設計も行います。
- ・近距離無線用アンテナ – Bluetooth、ZigBee
- ・LPWA用アンテナ – NB-IoT(LTE-NB1)
- ・Wi-SUN
- ・LoRa(LoRaWAN)
- ・SIGFOX
- ・無線LAN用アンテナ
【電波法認証】
各種無線機器に対して、国内認証および海外認証に対応しております。
- ・新規開発無線設備の国内認証
- ・海外製無線モジュールの国内認証
- ・海外向け無線機器の海外認証
【ワイヤレス給電(WPT)】
スマートフォンやスマートウォッチ等の小型機器、配線が邪魔になるようなIoT機器に普及してきているワイヤレス給電回路の設計を行います。
【高周波シミュレーション】
ADS、HFSS、AWR(MWO)、Femtet等の高周波シミュレータを使用して回路の設計や、設計した回路の解析を行います。
- ・基板パターン設計
高周波回路では配線パターンも高周波部品として機能するため、電磁界解析等によって基板の特性をシミュレーションしながら基板のレイアウト設計を行います。特にパターンアンテナ等の設計には必要不可欠な設計手法になります。 - ・回路設計・検討
コンデンサやインダクタといった部品は、その実装位置によっても回路特性が大きく異なるため、回路を設計するときには、実際に基板上のコンデンサやインダクタの実装位置を変更し、その時の回路特性を確認するという作業を繰り返しながら詳細設計を行います。高周波シミュレータを使用することで、この設計作業がPC上で可能になるため設計作業の効率化が狙えます。
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パワーエレクトロニクス回路設計概要
エネルギーインフラや、電車のモーター制御等、大電力の電力変換を行う回路設計技術です。
【大電力変換回路】
太陽光発電等のエネルギーインフラ、IHクッキングヒーター、掃除機、洗濯機等の家庭用製品に必要不可欠な大電力変換回路を設計しています。大電力を扱うため部品の知識や基板設計の知識が必要になります。
【モーター制御】
電車や自動車のモーター制御、電動自転車や洗濯機等、家庭用製品のモーター制御にパワーエレクトロニクス技術が使われています。
【インバーター】
モーター制御等に使用される装置のこと。主に交流を一旦直流に変換(コンバーター回路)する回路と、直流を交流に変換(インバーター回路)する回路で構成される電源回路です。この回路は入力側とは異なる周波数と電圧の交流を出力することができるため、モーターを任意のスピードで動作させることが可能になります。この回路にパワーエレクトロニクスの回路設計技術が活かされます。
設計補助
(CADオペレーター)CAD図面作成・編集技術
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電気系CAD設計
電気設備図、単線接続図、複線接続図、展開接続図、裏面接続図、系統図等を設計担当者からの情報をもとに、電気CADを用いて作成する補助業務に対応しています。
【電気設備図】
建物内の照明設備、スイッチ、コンセント、換気扇、通信設備、スピーカー、火災報知器等の位置を示した図面
【単線接続図】
受変電設備、分電盤、制御盤内の接続方法、遮断機や変圧器の容量など、電気設備の接続状況を1本線で表した図面
【複線接続図】
配線を実際の接続本数で記載し、各機器の端子番号を図番号・文字番号・器具番号で表示することで単線接続図をより具体的に示した図面
【展開接続図】
単線接続図や系統図などについて接続をより具体的に示し、機器制御の操作順序にしたがって展開した図面
【裏面接続図】
配電盤や制御盤内部の器具配置や器具相互の接続を詳細に示し、実際の配置や結線を器具の端子を含めて具体的に示した図面
【系統図】
複数の機器や設備を複合したもの全体を示し、電気設備の配置、接続方法、配線ルート等の詳細を記載した図面