育休中(育児休業中)にリスキリングはできるのか?という疑問について、1歳男児、7歳男児2児の母であり、リスキリングが話題になる直前にリスキリングを自主的に行っていた私の実体験と、個人的な見解をご紹介したいと思います。
昨今巷で「リスキリング」という言葉を聞くことが多くなりました。
先日、育休中のリスキリングについても話題になり、「育児中に勉強をすることは難しいのでは」という声も上がりました。
一方で「出来るなら育休中にリスキリングをしてみたいけど、やっぱり難しいのかな」と迷っている方も実は多いのではないかと思います。
そんな方にこちらの記事を参考にしていただければ幸いです。
目次
1. リスキリングをしようと思ったきっかけ
正直1人目の子供を産んだばかりのころは子育ても初めてで余裕がなく、合間の時間を使って学習時間を設けたりしていたのですが、仕事に直結するような勉強を真剣に行うことは考えていませんでした。
ただ育児を経験したことによって、自分の中でパラダイムシフトが起き、猛烈に何か新しいことを学びたい気持ちが沸き上がった様な気がしていました。
そんな中、同じ頃に1人目の子供を出産した友人が、週に2回託児所を利用して勉強し、資格を取ったという話を聞き、「うわ~!さすがだな~!」とひどく感激したのを覚えています。
それから数年が経ち、私に2度目の育休の機会が訪れました。その時には妊娠中から、「今回は絶対に勉強する!」と闘志に燃えていたのを覚えています。そんなわけで私の育休中のリスキリングは幕を開けました。
2. そもそもリスキリングとは何か
リスキリング(Reskilling)は経済産業省では「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と定義されています。
令和4年10月に政府が「リスキリング支援に5年間で1兆円を投じる」と表明したことから話題になりました。
また、経済産業省では令和4年度の補正予算で「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」として753億円を計上しました。
具体的には、事業者の「キャリア相談対応」「リスキリング提供」「転職支援」「(転職後の)フォローアップ」に要する経費を支援するというものです。
参考:経済産業省
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業 https://careerup.reskilling.go.jp/
政府が行っているリスキリング支援とは、企業が従業員や転職希望者の学び直しを促進することに対し、政府が補助金を出して支援する取り組みです。
私はリスキリングが話題になる以前に自主的に勉強したため、特に会社の制度を利用せずに学び直しをしました。そのため、この記事ではリスキリングに関する制度についてではなく、「育児しながらリスキリング(学び直し)ができるのか?」というところに論点を置いてお話ししたいと思います。
3. Q:育休中にリスキリング(学び直し)できるのか?
A:できないことはない。
但し、環境が整っていることが大大大前提。
私の実体験にもとづいた結論は、「環境次第で、やってできないことはない。」というのが答えです。
正直なところ非常にメンタルを削られましたし、もしかすると産後鬱だったかも……という心理状態の時期もありました。
そんな私の経験から、育休中のリスキリングをするのか、しないのかの判断基準をいくつかご紹介致します。
4. 育休中のリスキリングが、「おススメできる環境」
【おススメ“できる”環境】
- ・夫婦で育休を取得する予定であり、育児を交代制にできる。
- ・気の置けない関係の両親や親せき、友人に比較的頻繁に子供を見てもらえる。
- ・経済的に余裕があり、託児施設やベビーシッターを頻繁に利用できる。
- ・会社の託児支援などを利用できる。
【おススメ“できない”環境】
- ・育休中基本的に育児は自分のみで行い、頼れる人がいない。
- ・託児施設やベビーシッターを頻繁に利用できるほど、経済的な余裕がない。
育休中のリスキリングをおススメできる環境とは、一言で言って子供の預け先があるということに尽きると思います。
子供が寝ている間の学習や、子供の様子を見ながらの学習は不可能とまでは言い切れませんが、思い通りにいかないことも多く、学習量も限られてしまいます。
5. 育休中のリスキリングが、「おススメ“できる”タイプ」
子供の預け先があることは大前提ですが、本人のマインドも非常に重要です。
私が思う、リスキリングが「おススメできるタイプ」と「おススメできないタイプ」は以下の通りです。
【おススメ“できる”タイプ】
- ・子供は色んな人に関わらせて一緒に育てたい。
- ・育児方法に関してそこまでこだわりが強くない。
- ・子供が寝たタイミングなど、すきま時間を有効に使える。
- ・予定通り行かなくても、臨機応変に対応できる。柔軟性がある。
- ・学習時間と育児時間のメリハリをつけることで、育児をより楽しめる。
- ・体調やメンタルの自己管理ができ、必要な時には休むことができる。
【おススメ“できない”タイプ】
- ・赤ちゃん時代の子供に全力で向き合いたい。
- ・育児に関して「こうしたい」という、自分なりのこだわりが割と多い。
- ・育休中は段取りや計画を考えずに、子供のペースに合わせた生活を送りたい。
- ・予定していたことが急な事情で出来なくなると、酷く落胆したり感情的になる。
- ・子供を人に預けることに罪悪感を感じ、自分の育児を肯定できなくなる。
- ・自分の体調が悪かったり疲れていても、つい頑張りすぎることがある。
6. 【まとめ】育休中のリスキリングが、「おススメ“できる”人」
リスキリングがおススメできる人をまとめると、次の3つに大きく分類されると思います。
- ① 子供の預け先が確保できる。
- ② 育児・家事などを人に任せたり、頼ったりできる人。
- ③ 臨機応変に対応できる。
育児中の環境やご自身のタイプがリスキリングにおススメできる人に当てはまる場合でも、一度冷静になって、「そもそも育児中にリスキリングを本当にしたいのか」について考えてみてください。
こんなはずじゃなかったと後悔しないように、自分にとってのリスキリングの必要性を自問自答してみることも大切だと思います。
以上、育休中にリスキリングはできるのか?という疑問への私の見解と、リスキリングが「おススメできる環境、できない環境」「おススメできるタイプ、できないタイプ」のご紹介でした。
育休中のリスキリングを検討する方にとって、少しでも参考になれば幸いです。