【解決策あり】新卒・第二新卒・未経験は不利?ジョブ型雇用のデメリットとは
2023.12.21
「ジョブ型雇用」といえば、従来の日本のメンバーシップ型雇用の問題点を解決してくれる素晴らしい制度として、「年功序列ではなく実力で評価してほしい」と考える方にメリットが多いように感じますよね。
しかし、新卒や未経験の方など、実は若手人材にとって不利な制度ともなり得ることをご存じでしょうか?
本記事では、新卒や未経験の方にとってのジョブ型雇用のデメリットと、解決方法をご紹介します!
【この記事を読むと分かること】
- ・「メンバーシップ型雇用」と「ジョブ型雇用」の違い
- ・新卒・第二新卒・未経験者にとってのジョブ型雇用の注意点
- ・これからの時代の働き方の最適解
目次
1.ジョブ型雇用とは?
ジョブ型雇用とは、会社が必要としているポストに対して、職務内容の詳細を細かく定め、職務遂行のスキルや経験を持った人材を採用する雇用方法です。
2020年3月に経団連が公表した「Society 5.0 に向けた大学教育と採用に関する考え方」では、ジョブ型雇用の定義を「特定のポストに空きが生じた際にその職務(ジョブ)・役割を遂行できる能力や資格のある人材を社外から獲得、あるいは社内で公募する雇用形態のこと」としています。
また、経団連は2020年の経営労働政策特別委員会において、「日本型雇用システム(メンバーシップ型雇用)の見直し」、「ジョブ型雇用の推奨」を提言しました。
さらに2022年の「春季労使交渉に臨む経営側の方針」では、ジョブ型雇用について「導入・活用の検討が必要」と明記されました。
ジョブ型雇用という言葉を聞くようになってからしばらく経ちますが、このような背景から職務を明確化するジョブ型雇用を導入する大手企業も現れました。
また、近年では新型コロナウイルスの影響で在宅ワークの普及が加速したり、新しい人事ツールが導入されたりなど、ジョブ型雇用導入の準備を進める企業は多くなっています。
2.従来のメンバーシップ型雇用との比較
ここで先ほど出てきました、従来の日本型雇用システムと言われる「メンバーシップ型雇用」との違いを比較表で確認してみましょう。
■メンバーシップ型雇用 vs ジョブ型雇用
メンバーシップ型雇用 | ジョブ型雇用 | |
---|---|---|
考え方 |
人に対し仕事を割り当てる |
仕事に対し人を割り当てる |
仕事内容 |
業務範囲が曖昧 |
詳細が明確に決定している |
勤務地 |
入社後に決定、転勤あり |
採用前に決定しており、原則転勤なし |
給与 |
役職、年齢、勤続年数によって決定(年功序列) |
職務内容や専門性によって決定 |
採用 |
新卒一括採用中心 社風と合うか、人物面を重視 |
中途採用中心 職務遂行能力を重視 |
教育 |
社内の教育制度やOJTから学ぶ |
自主的な学習が必要 |
人材の流動性 |
低い |
高い |
3.新卒・第二新卒・未経験者にとってのジョブ型雇用のデメリット
このように比較表を見ると、ジョブ型雇用は自分のやりたい仕事が選べて転勤もなく、成果を出せば若いうちでも給与に反映されるとあり、特に若手人材にはメリットが豊富に感じますね。
しかし、ジョブ型雇用は若手人材にとってデメリットもあるのです。
① 新卒一括採用のメリットが受けられない
従来の日本では、大企業の伝統であった新卒一括採用という方法が主流でした。
新卒一括採用とは、仕事に直接的には関係のない学生時代の取り組みや人柄を評価して採用してもらえる制度で、これまでは中途採用よりも好条件、好待遇で就職できることが多く、実は就業経験の無い学生が優遇された制度です。
それが、募集ポジションの職務遂行能力によって採用が決まるということは、既に実績やスキルをもった中途採用の人材と競わなければならないことになります。
将来的には、スキル不足が理由で就職が決まらない学生が出てくることもあるかもしれません。
② やりたいこと、向いていることが分からなくても職務は限定的
将来の夢について、子供のころから常に意識することや発表する場などもありましたが、就職する段階で「この職業で生きていく!」と明確に決まっていたという方はどのくらいいるのでしょう?
やりたいことが決まっている方も、決まっていない方も、働いてみないと分からない!というのが本当のところではないでしょうか。
メンバーシップ型雇用の場合、会社都合ではありますが、様々な職務を体験させてもらえることで自分の向き不向きを1つの会社の中で見極めていけるというメリットもありました。
しかし、ジョブ型雇用では雇用の段階で遂行すべき業務は明確に決定しているため、「この仕事自分に合っているのかな?…」と疑問を感じても、自分が動かなければ他の仕事を経験することはありません。
また、仮に社内公募や転職などを考える場合も、これまでの経験が活かせないポジションにチャレンジする場合はより一層の努力が必要です。
③ スキルアップのための学びは主体的に行う必要がある
新卒一括採用の場合、会社は新卒採用と教育に大きな予算を取っています。
入社後は一斉に研修を受け、配属された後も新卒という枠でOJTを丁寧に実施してもらえます。
第二新卒や中途未経験採用の場合も、メンバーシップ型雇用の場合はポテンシャル採用としてスキルが無くても会社が育てていく形をとっている企業も多くあります。
それがジョブ型雇用になると必要なポジションに能力のある人材を配置することが前提となるため、教育はほとんど考慮されていません。
職務遂行に必要なスキルは自分自身でつけていくことが必要になるでしょう。
以上が新卒・第二新卒・未経験者にとってのジョブ型雇用のデメリットでした。
ジョブ型雇用は国が推進する政策であり、今はまさに転換期といえます。
現在日本の転職市場は超売り手市場となっており、従来のような転職に対するネガティブなイメージも減っています。
また、近年日本の大学生でもインターンシップを行う学生が増え、学生のうちからより実践的な就業体験を得ることや、興味のある企業に自分を売り込んでおくという動きも加速しています。
このような流れから徐々に日本の雇用もジョブ型雇用に切り替わっていく傾向にあります。
自分自身の人材としての価値を常に意識し、主体的に学びスキルアップしていく姿勢が必要になるでしょう。
4.【解決策】ジョブ型雇用時代の新しいキャリア戦略
これからの時代、若手人材は一体どのように「自分のキャリアの方向性を決め」、「スキルを身につけ」、「経験豊富な人材と戦って」いけば良いのでしょうか?
その解決策として、一つの戦略をご提案します。
それは、「経験が浅い間はプロジェクト単位で働ける企業に就職する」という戦略です。
これが、これから訪れるジョブ型雇用時代の最適解になるのではないかと考えます。
“プロジェクト単位で働ける”とはあまりイメージしづらい方もいらっしゃるかもしれませんが、企業の業務プロジェクトに参画するという形で求められる職務を遂行し、プロジェクトが完了、もしくは一定期間勤務したらまた新しいプロジェクトに参画するという形で様々な仕事を経験するという働き方です。
当社では、そのような新しい時代の働き方を実現することができます。
当社に入社後は、個々のスキルに応じて、お客様先で必要となる“業務スキル”の習得を目的とした研修を行ってから配属しますので、新卒・第二新卒・未経験者への教育体制は万全です。
また次のプロジェクトまで待機期間があっても、当社での正社員としての雇用は維持されますので給与が支給されます。
1つの会社で同じ業務に従事するよりも遥かに多くの経験・スキルを積むことができ、自分自身のキャリアの方向性を考える上でも、様々な経験をすることで自分のやりたいことや向いていることがより明確になります。
常に学び続けることが好きな方にとっては、この働き方が生涯の天職となることも多々あります。
まずはお気軽にエントリーしていただき、面談で気になることなどご質問いただければと思います。
以上、新卒・第二新卒・未経験者にとってのジョブ型雇用のデメリットと、解決策のご提案でした。
働く皆様の知識アップデートや、新しい発見になれば幸いです。