ITエンジニアが使うC++とは?難易度や年収・今後の需要について完全ガイド

ITエンジニアを目指す中で、「C++ってやっぱり学んでおくべき?」と感じている方は多いのではないでしょうか。

高い処理性能と柔軟性を持つC++は、ゲーム開発や組み込み系開発、金融システムなど幅広い分野で利用されており、今も根強い需要があります。一方で、「難易度が高い」「初心者には不向き」といった声があるのも事実です。

この記事では「C++とは?」をテーマに、使ってはいけないと言われる理由や難易度の比較を解説します。あわせてC++のメリットや将来性、年収なども紹介していきます。

【この記事を読むと分かること】

  • ・C++は”使ってはいけない”と言われる理由
  • ・C++と他の言語との難易度比較
  • ・C++の年収や将来性

目次

  1. ITエンジニアが使うC++とは?
  2. C++は“使ってはいけない言語”って本当?その理由を解説
  3. C++と他の言語(Java・C#・Python)との難易度比較
  4. C++を学ぶメリットと将来性
  5. C++エンジニアの年収・キャリアパス
  6. C++入門の初心者向け学習方法
  7. C++入門の初心者向けポートフォリオ例
  8. ITエンジニアがよく使う人気のプログラミング言語とは?
  9. C++を活かしてITエンジニアを目指すなら

ITエンジニアが使うC++とは?

まずはプログラミング言語「C++」の概要について、以下の2項目から解説します。

  • C++とはどんな言語か
  • C++が使われる代表的な分野
  • 1項目ずつ詳しく確認していきましょう。

    C++とはどんな言語か

    C++とはC言語を進化させたプログラミング言語で、「オブジェクト指向」が用いられています。

    オブジェクト指向とはプログラムを「モノ(=オブジェクト)」として考える方法です。
    例えば、ゲームの中の「プレイヤー」や「敵」「アイテム」など、それぞれの役割を持つモノを作り、それらを組み合わせてシステムを作っていきます。こうしたモノの設計図のようなものを「クラス」と呼び、クラスをもとにオブジェクトを作ります。
    オブジェクト指向はPythonやJava、Rubyをはじめ、数多くのプログラミング言語で使われている考え方です。

    C++は処理速度の速さが特徴で、大規模システム開発で採用されます。またメモリ管理の柔軟性が高く、高性能なアプリケーションやシステム構築に向いているといえます。1979年に開発されていて、他のプログラミング言語と比較して長い歴史を持っていることも特徴です。

    C++が使われる代表的な分野

    C++はアプリケーション開発やゲーム開発、組み込みシステム開発など幅広い分野で使われています。

    アプリケーション開発に関しては、複雑なブラウザや大量の処理が必要なシーンで広く活用されています。処理速度が速いことが主な理由です。

    またゲーム開発に関しては、主要なゲームエンジンとされる「Unity」や「Unreal Engine」はC++で書かれています。つまりゲーム開発エンジニアを目指す場合、C++を学ぶのがおすすめです。

    また家電製品や自動車の制御・実行を行う組込みシステム開発は、将来性が高い分野です。そういった面では、これから新たに勉強するプログラミング言語としておすすめできます。

    C++は“使ってはいけない言語”って本当?その理由を解説

    C++は歴史が長く、多くの現場で高く評価されているプログラミング言語です。
    しかし一方で、「使ってはいけない言語」という意見もあります。なぜそのように言われるのでしょうか?

    ここからはC++が「使ってはいけない言語」と言われる理由について、以下の2項目から解説します。

    • ・なぜ「使ってはいけない」と言われるのか
    • ・実際に使われている現場

    1項目ずつ詳しく見ていきましょう。

    なぜ「使ってはいけない」と言われるのか

    C++が使ってはいけないと言われるのは、習得難易度が高い点にあります。C++は仕様が複雑であり、コードが読みづらくなっています。それゆえに特に初心者の場合、理解するのが難しく、挫折してしまう懸念があります。

    加えて経験者であっても、バグが発生しやすい上に、エラーの原因特定にも時間がかかります。C++エンジニアとして活躍するには、経験値や知識量が必要です。

    実際に使われている現場

    C++が実際に使われているのは、OSやパソコンソフトの開発で、Windows 10はC++とC言語を用いて開発されています。
    他にもMacOSやGoogle Chromeなどパソコンで仕事をする方だけでなく、多くの方が日常的に使うOSにも用いられるプログラミング言語です。

    C++は他にも、IoT技術開発にも使われるプログラミング言語です。IoTとはあらゆるモノをインターネットに接続する技術を指しています。家電製品がその一例で、スマートスピーカーやスマートテレビ、冷蔵庫などが他のデバイスと通信することで、便利な機能が利用可能となります。

    また、自動車もIoTの活用が進んでいる分野の一つで、走行データの収集や自動運転機能の実現などに、IoT技術が使われています。

    C++と他の言語(Java・C#・Python)との難易度比較

    ここからはC++と他のプログラミング言語との難易度の違いを、以下の3項目において比較していきます。

    • ・C++とJavaの違いと難しさ
    • ・C++とC#の比較
    • ・Pythonとの学習しやすさの違い

    C++をはじめとするプログラミング言語への理解を深めていきましょう。

    ・C++とJavaの違いと難しさ

    Javaは1990年代半ばに登場したプログラミング言語で、汎用性の高さが特徴です。Javaが活用できる場は、業務システム開発やAndroidのスマホアプリ開発、Webサイト構築など多岐に渡ります。

    プログラミング初心者の場合、Javaの習得難易度は比較的高いと言われています。技術面が複雑とされているためです。初心者は一般的に、PHPやRubyなどのプログラミング言語から学ぶ方が向いています。
    ただし、Javaは書籍や参考記事などが多いため、努力すれば習得が可能なプログラミング言語ともいえます。

    一方でC++は、プログラミング初心者には習得難易度がかなり高いプログラミング言語です。ポインタや手続き型など難易度の高い特性を理解する必要があります。いきなりC++を習得するのはハードルが高く、挫折してしまう可能性も高くなります。

    ・C++とC#の比較

    C++とC#は名前が似ているため、混同してしまう方も多いのではないでしょうか。しかしこれらは全く異なるプログラミング言語です。

    C#はマイクロソフト社が開発し、2000年にリリースされたプログラミング言語です。C#ではアプリケーション開発が主流で、中でも最先端のVRゲーム開発に注目が集まっています。

    C#は一般的に習得難易度が高いとされていますが、C++と比べると難易度は低めです。Javaなどと同じオブジェクト指向を用いたプログラミング言語のため、Javaの経験があればよりスムーズに習得可能です。

    一方でC++の習得には時間がかかります。C#と同じオブジェクト指向の他に、手続き型プログラミングを習得する必要があるためです。またエラー時に丁寧に返してくれず、問題解決まで時間がかかることも懸念点です。

    Pythonとの学習しやすさの違い

    Pythonは1991年に開発されたプログラミング言語で、汎用性の高さが魅力です。Webアプリケーション開発、AI開発など幅広い分野で活躍しています。

    Pythonは学習しやすく、初心者におすすめのプログラミング言語と言われます。文法がシンプルで、コードの記述が少なく済むためです。それゆえに読み返す時に見やすい、ミスが起こりにくいなどのメリットがあります。さらに日本語の教材が多く、学習中に疑問が生じても調べやすく、独学でも進めやすい環境が整っています。

    一方で、C++はPythonと比べて文法が複雑で、習得にはより多くの時間と理解が必要です。もしC++を習得したい場合は、C言語をファーストステップとして学ぶと、基本的な考え方を身に付けやすくなります。

    C++を学ぶメリットと将来性

    C++は難易度の高いプログラミング言語だと理解できたのではないでしょうか。C++は習得難易度が高いだけでなく、メリットも多数あります。

    ここからはC++を学ぶメリットや将来性について、以下の2項目から解説します。

    • ・C++の強みとは
    • ・将来も使える言語か?

    1項目ずつ確認していきましょう。

    C++の強みとは

    C++の強みは、処理速度が速い点です。C言語をベースにしているため、コンピューターでの処理速度が速いという特性があります。その上C++は複雑なシステムにも対応可能で、大規模なシステム開発で重宝されています。大企業に関わることもあり、貴重な経験が積めるでしょう。

    他にもC++の強みは、C言語との関連性が高い点にもあります。C言語から派生したプログラミング言語であるため、基本的にプログラムをそのまま利用可能です。C言語を習得した後のステップアップとしてもおすすめです。

    将来も使える言語か?

    結論からいうと、C++は将来性の高いプログラミング言語です。C++は長い歴史の中で多くのシステム開発に用いられてきたことから、今後も保守や運用などの管理業務として継続的に必要とされるためです。

    また、C++の将来性の高さは、データにも現れています。オランダのTIOBE Software社によると、2025年6月の「人気の高いプログラミング言語ランキング」で、C++はPythonに次ぐ第2位を獲得しています。これは、C++が組み込みシステム開発やゲーム開発など今後も需要が見込まれる分野で広く活用されているためです。

    参考:TIOBE|TIOBE Index for June 2025

    C++エンジニアの年収・キャリアパス

    ここからはC++エンジニアの年収やキャリアパスについて、以下の2項目から解説します。

    • ・平均年収と地域差
    • ・キャリアアップの具体例

    プログラミング言語を選ぶ上で、収入面やキャリア面は重要なポイントです。ぜひご一読ください。

    平均年収と地域差

    求人ボックスのデータによると、C++の技術で開発を行う「組み込みエンジニア(システムエンジニア)」の平均年収は約518万円です。日本の平均年収は約460万円であるため、組み込みエンジニアは平均より58万円も年収が高いことが分かります。

    一方で、組み込みエンジニアの年収には、地域差があることも知っておきたいポイントです。同じく求人ボックスのデータによると、東京都の年収が最も高く590万円、次いで神奈川県の年収が高く520万円。最も低いのは宮崎県の405万円となっています。

    ただし、年収は企業の規模や業務内容、経験年数などによって異なります。複数の求人情報を比較して、納得した上で学習を始めたり、就職先を選んだりすることをおすすめします。

    参考:求人ボックス|システムエンジニアの年収・時給 参考:国税庁|令和5年分 民間給与実態統計調査

    キャリアアップの具体例

    C++エンジニアを含めITエンジニアがキャリアアップを目指す際には、まず実務経験を積んだ後に、マネジメントスキルを身に付けるという選択肢があります。例えば、プロジェクトマネージャーは現場の実務を理解した上で、チームをまとめる役割を担います。

    また他に、C++のプロフェッショナルとなる「スペシャリスト」への道もあります。例えば組み込みエンジニアの場合、難易度の高い分野であるためスペシャリストとして技術を極めることで、市場価値を高めることができます。
    理由として、組み込みシステム開発では、限られたリソースの中で動作するプログラムを設計する必要があり、ハードウェアとソフトウェアに関わる両方の深い知識が求められることが挙げられます。

    他にもC++スペシャリストとしては、金融システムの構築やパフォーマンス最適化といった分野でも活躍の場があります。

    C++入門の初心者向け学習方法

    C++を初心者が独学で学ぶのは、ハードルが高いと言われています。しかし、C++の基本的な知識が学べる書籍や、学習サイトも公開されているので、学習環境は整っていると言えます。

    書籍では初心者向けの教材として、『やさしいC++』(高橋麻奈著/SBクリエイティブ)が人気です。図解が豊富で、実際に試せるサンプルプログラムも多く、手を動かしながら学べる点が魅力です。
    他にも『C++の絵本』(株式会社アンク著/翔泳社)は、オブジェクト指向の概念や最新のC++の機能などが解説されており、基礎から応用まで幅広く学べる一冊です。こうした初心者向けの教材から始めて、徐々に教材のレベルを上げて学ぶことが効果的です。

    また、学習サイトはUdemyがおすすめです。多くの出品者が教材を提供しており、自分のスキルレベルに合わせて選ぶことができます。教材は複数の動画教材がセットで販売されているので、体系的に学習を進めることができます。

    ただし、初心者向けの教材は多くはないため、C言語から学ぶのもおすすめです。C言語であれば、Udemyやドットインストールなどで豊富に提供されています。

    C++入門の初心者向けポートフォリオ例

    C++エンジニアを目指す場合、ポートフォリオを作成する必要があります。特に初心者であれば、転職時にアピールに用いるサンプルシステムやアプリケーションを用意しておく必要があります。

    例えばオブジェクト指向をアピールする場合、ミニゲームの開発が有効です。オブジェクト指向初心者の制作物には、ミニゲーム開発が設定されていることが多いためです。他にも銀行システム開発も、ポートフォリオに向いています。

    初心者のポートフォリオは難易度の高い制作物よりも、基本知識の定着をアピールできるものを用意することが大切です。背伸びするよりも、面接で聞かれた時にきちんと説明できる方が重要なためです。

    ITエンジニアがよく使う人気のプログラミング言語とは?

    これからプログラミング言語を学ぶ方は、人気のプログラミング言語やC++の需要について知っておくと、納得した上で新たな道を目指すことができます。

    そこでここからは、ITエンジニアがよく使う人気のプログラミング言語について、以下の2項目から解説します。

    • ・最新の人気言語ランキング
    • ・C++の立ち位置と需要

    1項目ずつ詳しく見ていきましょう。

    最新の人気言語ランキング

    TIOBE Software社の調査によると、2025年6月時点のプログラミング言語人気ランキングは以下の通りです。

    順位 プログラミング言語 評価

    第1位

    Python

    25.87%

    第2位

    C++

    10.68%

    第3位

    C言語

    9.47%

    第4位

    Java

    8.84%

    第5位

    C#

    4.69%

    参考:TIOBE|TIOBE Index for June 2025

    C++はC言語やJavaを抑えて、第2位を獲得しています。PythonやC++の人気が高いのは、世界でのAIやIoT分野の拡大によって需要が高まっていることが理由です。

    C++の立ち位置と需要

    C++は他のプログラミング言語と比べて、高性能なシステム開発に活用されています。実行速度が早いことや、効果的なメモリ管理能力などが理由です。TIOBEのランキングでも上位に位置しており、世界的にも高い人気を誇る言語です。今後も安定した需要が期待できるでしょう。

    一方で、PythonやC言語、Javaと比べて、C++の習得難易度は高い傾向となっています。独学のハードルが高いことは事前に把握しておきたいポイントです。
    もし挫折しそうになった場合には、初心者向けのプログラミング言語に切り替えたり、ITスクールや企業の研修制度などを活用したりすることで、スムーズにスキルを習得できる可能性があります。

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