インフラエンジニアとは?仕事内容や必要スキル、将来性まで徹底解説

インフラエンジニアは、ITシステムの基盤を構築・維持する重要な職種ですが、その具体的な仕事内容や専門性については一般にはあまり知られていません。

本記事では、インフラエンジニアの定義から具体的な業務内容、必要なスキル、将来性までを詳しく解説します。IT業界でのキャリアを考えている方やスキルアップを目指す方は、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. インフラエンジニアとは
  2. インフラエンジニアの仕事内容
  3. インフラエンジニアの種類
  4. システムエンジニア(SE)との違い
  5. インフラエンジニアに必要なスキル・知識
  6. インフラエンジニアに役立つ資格
  7. インフラエンジニアに向いている人
  8. インフラエンジニアの年収事情
  9. インフラエンジニアの将来性・需要
  10. インフラエンジニアのキャリアパス
  11. 未経験からインフラエンジニアを目指す方法
  12. まとめ

インフラエンジニアとは

インフラエンジニアとは、ITシステムの基盤となるインフラストラクチャーの設計・構築・運用・保守を担当するエンジニアです。私たちが普段使用するアプリケーションやWebサービスが問題なく機能するためには、その土台となるITインフラが安定して稼働していることが不可欠です。インフラエンジニアはIT社会の縁の下の力持ちと言えるでしょう。

インフラとは

インフラとは、インフラストラクチャーの略語で「基盤」「下部構造」を意味します。一般的には、電気・水道・ガス・交通・通信など、生活や産業に不可欠な公共インフラを指します。

IT分野におけるインフラとは、システムが正常に動作するために必要な基盤のことで、サーバー、ネットワーク機器、データベース、ストレージ、OS、ミドルウェア、セキュリティ対策などが含まれます。これらの要素を適切に設計・構築・運用することで、その上で動くアプリケーションやWebサービスが安定して利用できるようになります。

インフラエンジニアの役割と重要性

インフラエンジニアは、ITシステムの安定稼働を支える基盤技術の専門家として、極めて重要な役割を果たしています。主な役割はシステム基盤の設計・構築、安定稼働の維持、セキュリティの確保、障害対応、インフラの最適化です。

インフラエンジニアの重要性は、近年のデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展に伴ってますます高まっています。企業の業務システムやオンラインサービスが増えるにつれ、それらを支えるITインフラの安定性と安全性に対する要求も厳しくなっているのです。

インフラエンジニアの仕事内容

インフラエンジニアの仕事は、大きく分けると「設計・構築」と「運用・保守」の2つのフェーズに分けられます。それぞれのフェーズでどのような業務を行うのか、具体的に見ていきましょう。

ITインフラの設計・構築

設計・構築は、システム開発の上流工程と呼ばれ、インフラエンジニアとしての専門知識や経験が必要とされる重要な段階です。具体的には要件定義、基本設計、詳細設計、構築作業、テストなどの業務を行います。

要件定義では、クライアントからの要望をヒアリングし、必要な機能や性能、セキュリティレベル、予算、納期などを明確にします。この段階でのすり合わせがシステムの出来を左右するため、非常に重要なプロセスです。

基本設計では要件定義に基づいて、どのようなインフラ構成にするかの大枠を決めます。ハードウェアやソフトウェアの選定、ネットワーク構成、セキュリティ対策などを検討し、システム全体の設計図を作成します。

詳細設計では、基本設計をより詳細化し、実際の構築作業に入るための準備を整えます。サーバーのスペックや台数、ネットワーク機器の配置、IPアドレスの割り当て、ミドルウェアの設定などを細かく決めていきます。

ITインフラの運用・保守

システムが稼働した後も、安定したサービス提供のために運用・保守業務が継続的に発生します。これらは下流工程と呼ばれ、監視、定期メンテナンス、バックアップと復旧、性能改善などの業務があります。

監視ではシステムの稼働状況を常に監視し、問題がないことを確認します。サーバーのCPU使用率やメモリ使用量、ネットワークの通信状況などを監視ツールで確認し、異常があれば即座に対応します。

定期メンテナンスではOSやミドルウェアのアップデート、セキュリティパッチの適用、ディスク容量の確認・調整など、定期的なメンテナンス作業を行います。これにより、システムの安全性と安定性を維持します。

トラブルシューティングと障害対応

インフラエンジニアの重要な業務の一つが、トラブルシューティングと障害対応です。システムに何らかの問題が発生した場合、迅速に対応することが求められます。

障害が発生した場合、まずはどこに問題があるのかを特定します。ネットワークの問題なのか、サーバーの問題なのか、アプリケーションの問題なのかを切り分けます。その後、ログファイルの分析やモニタリングツールの確認を通じて、具体的な障害の原因を特定し、システムの復旧を最優先に応急処置を行います。さらに、同じ障害が再発しないよう根本的な解決策を講じます。

インフラエンジニアの種類

インフラエンジニアは、担当する技術領域によっていくつかの種類に分けられます。
それぞれの専門分野について詳しく見ていきましょう。

種類 主な業務内容 必要なスキル・知識

サーバーエンジニア

サーバーの設計・構築・運用・保守

OS(Windows/Linux)、仮想化技術、クラウド

ネットワークエンジニア

ネットワークの設計・構築・運用・保守

TCP/IP、ルーティング、スイッチング、セキュリティ

セキュリティエンジニア

セキュリティ対策の設計・導入・監視

ファイアウォール、暗号化、脆弱性診断、インシデント対応

クラウドエンジニア

クラウド環境の設計・構築・運用

AWS/Azure/GCP、IaC、コンテナ技術、自動化

サーバーエンジニア

サーバーエンジニアは、サーバー機器の設計・構築・運用・保守を専門とするエンジニアです。サーバー、メールサーバー、ファイルサーバーなど、目的に合わせた適切なサーバー環境を構築し、安定して稼働するよう管理します。

主な業務内容は、サーバーの設計・選定、OSのインストールと設定、ミドルウェアのインストールと設定、バックアップ・リストアの設計と実施、サーバーの監視と障害対応などです。近年は物理サーバーだけでなく、AWSやAzureなどのクラウドプラットフォーム上での仮想サーバー構築・運用スキルも重要となっています。

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアは、コンピュータ同士を接続するネットワーク環境の設計・構築・運用・保守を担当します。LANやWAN、インターネット接続など、安定したネットワーク環境を実現するのが主な役割です。

主な業務内容は、ネットワーク構成の設計、ルーターやスイッチなどのネットワーク機器の設定、ファイアウォールの設定、VPNの構築、ネットワークの監視とトラブルシューティングなどです。最近では、SDNやSD-WANなど、ソフトウェアによるネットワーク制御技術が普及しており、ネットワークエンジニアにもプログラミングの知識が求められるようになっています。

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは、ITシステムのセキュリティを担当するエンジニアです。外部からの不正アクセスや情報漏洩などのリスクからシステムを守るための対策を講じます。

主な業務内容はセキュリティポリシーの策定、ファイアウォールやIPS/IDSの導入・設定、脆弱性診断とその対策、セキュリティインシデントへの対応、セキュリティ監査の実施などです。サイバー攻撃の手法は日々進化しており、セキュリティエンジニアには常に最新の脅威と対策に関する知識のアップデートが求められます。

クラウドエンジニア

クラウドエンジニアは、AWS、Azure、Google Cloudなどのクラウドプラットフォームを活用したインフラ構築・運用を専門とするエンジニアです。クラウドサービスの特性を理解し、コスト効率と安全性を両立したクラウド環境を設計・構築します。

主な業務内容はクラウド環境の設計・構築、Infrastructure as Code(IaC)によるインフラ構築の自動化、クラウドリソースの最適化、マルチクラウド環境の構築・運用、クラウドセキュリティの確保などです。クラウド環境ではスケーラビリティや柔軟性が高く、従来のオンプレミス環境とは異なるアプローチが必要となります。

システムエンジニア(SE)との違い

インフラエンジニアとシステムエンジニア(SE)は、いずれもITシステムの開発・運用に関わる職種ですが、担当する領域や求められるスキルセットには違いがあります。

業務領域の違い

インフラエンジニアとシステムエンジニアの最も大きな違いは、担当する業務領域です。

インフラエンジニアの業務領域はサーバー、ネットワーク、データベースなどのITインフラの設計・構築・運用、OSやミドルウェアの導入・設定、ハードウェアの選定・調達、システムの安定稼働のための監視・保守、セキュリティ対策の実施などです。

一方、システムエンジニアの業務領域はクライアントの要件を分析し、システム全体の設計、システムの機能要件・非機能要件の定義、アプリケーションの設計・開発の管理、プロジェクト全体の進行管理、クライアントとの折衝・調整などです。

つまり、システムエンジニアがシステム全体の設計や開発管理を行うのに対し、インフラエンジニアはそのシステムが動作するための基盤(インフラ)を担当するという違いがあります。

必要なスキルセットの違い

業務領域の違いから、インフラエンジニアとシステムエンジニアに求められるスキルセットにも違いがあります。

インフラエンジニアに必要なスキルはサーバーOSの知識、ネットワークの知識、データベース管理システムの知識、セキュリティに関する知識、クラウドサービスの知識、監視ツールの知識、シェルスクリプトなどの基本的なプログラミングスキルなどです。

システムエンジニアに必要なスキルは要件定義・システム設計の知識、プロジェクト管理の知識、プログラミング言語の知識、データベース設計の知識、UI/UXの知識、業務知識、コミュニケーション能力などです。

このように、インフラエンジニアはハードウェアやミドルウェア、OSなどに関する知識が重要視されるのに対し、システムエンジニアはシステム設計やプロジェクト管理、業務知識などが求められます。

近年はDevOps(デブオプス)の普及に伴い、開発と運用の垣根が低くなっており、互いの領域のスキルを習得することが望ましい傾向にあります。
※「Development(開発)」と「Operations(運用)」を組み合わせた言葉で、ソフトウェア開発とIT運用の連携を強化するための文化・考え方・一連の実践方法を指す

インフラエンジニアに必要なスキル・知識

インフラエンジニアとして活躍するためには、様々なスキルと知識が必要です。
ここでは、技術的スキル、ソフトスキル、ビジネススキルの3つの観点から解説します。

技術的スキル

インフラエンジニアに求められる技術的スキルには、OSの知識、ネットワークの知識、データベースの知識、セキュリティの知識、クラウドサービスの知識、仮想化技術の知識、スクリプト言語の知識が挙げられます。

サーバーOSの代表格であるWindowsサーバーとLinuxについての知識は必須です。また、TCP/IPプロトコルやルーティング、スイッチングなど、ネットワークの基本的な仕組みと設定方法の理解も重要です。

クラウド技術では、AWS、Azure、Google Cloudなどのクラウドプラットフォームの特徴や使い方を理解することが求められます。さらに、Infrastructure as Code(IaC)の考え方が普及する中、Terraform、Ansibleなどの自動化ツールの知識も重要です。

ソフトスキル

技術的スキルだけでなく、コミュニケーション能力、問題解決能力、時間管理能力、チームワーク、学習意欲などのソフトスキルもインフラエンジニアには欠かせません。

特にコミュニケーション能力は、クライアントや他部署のエンジニアと適切にコミュニケーションを取り、要件を正確に把握する上で重要です。また、システム障害発生時に冷静に状況を分析し、迅速に解決策を見つける問題解決能力も求められます。

IT技術は日進月歩で進化しているため、常に新しい技術やトレンドを学び続ける姿勢も必要です。

ビジネススキル

インフラエンジニアとしてキャリアを積んでいくと、プロジェクト管理能力、コスト管理能力、提案力、ドキュメンテーション能力、リーダーシップなどのビジネススキルも必要になってきます。

インフラ構築プロジェクトをリードする立場になると、スケジュール管理やリソース管理、リスク管理などのプロジェクト管理スキルが求められます。また、予算内で最大の効果を得るための適切な機器選定やサービス選定ができる能力も必要です。

上流工程を担当するようになると、チームをリードし、メンバーの力を最大限に引き出すリーダーシップも求められます。

インフラエンジニアに役立つ資格

インフラエンジニアのスキルや知識を客観的に証明するものとして、資格が役立ちます。
ここでは、国内資格、ベンダー資格、キャリアステージ別におすすめの資格を紹介します。

 
資格分類 資格名 難易度 取得メリット

国内資格

基本情報技術者試験

中級

IT分野の基礎知識の証明、就職・転職に有利

国内資格

応用情報技術者試験

中上級

より高度なIT知識の証明、キャリアアップに有効

ベンダー資格

AWS認定ソリューションアーキテクト

中級~上級

クラウド設計スキルの証明、クラウド案件に強い

ベンダー資格

CCNA/CCNP

中級~上級

ネットワークスキルの証明、ネットワーク案件に強い

ベンダー資格

LPIC

初級~上級

Linux管理スキルの証明、サーバー案件に強い

専門資格

情報処理安全確保支援士

上級

セキュリティスキルの証明、セキュリティ案件に強い

国内資格

日本国内で認定されている資格には、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、ネットワークスペシャリスト試験、データベーススペシャリスト試験、情報処理安全確保支援士などがあります。

基本情報技術者試験はIT分野の基本的な知識を問う国家試験で、IT業界で働くために必要な基礎知識を幅広くカバーしています。インフラエンジニアを目指す方の第一歩として取得をお勧めします。

応用情報技術者試験は基本情報技術者試験の上位に位置する国家試験で、より高度なIT知識と応用力が問われます。インフラエンジニアとしてのキャリアをさらに発展させるために役立ちます。

ベンダー資格

特定のベンダーが提供する製品やサービスに関する技術力を証明するベンダー資格には、AWS認定資格、Microsoft認定資格、Cisco認定資格、Linux関連資格、VMware認定資格などがあります。

AWS認定資格はAmazon Web Servicesに関する知識とスキルを証明する資格で、クラウドアーキテクトやデベロッパー、システム運用管理者などの役割に応じた複数の認定区分があります。

Cisco認定資格はネットワーク機器大手であるCiscoの製品に関する知識とスキルを証明する資格で、CCNAはネットワークエンジニアの登竜門として広く知られています。

キャリアステージ別おすすめ資格

インフラエンジニアのキャリアステージに応じたおすすめの資格をご紹介します。

初級者向けにはITパスポート試験、基本情報技術者試験、CCNA、LPIC-1、AWS認定クラウドプラクティショナーなどがあります。

中級者向けには応用情報技術者試験、CCNP、LPIC-2、AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト、Microsoft Certified: Azure Administratorアソシエイトなどがあります。

上級者向けにはネットワークスペシャリスト試験、データベーススペシャリスト試験、情報処理安全確保支援士、CCIE、LPIC-3、AWS認定ソリューションアーキテクト – プロフェッショナルなどがあります。

キャリアパスや専門分野に合わせて取得する資格を選ぶと良いでしょう。

インフラエンジニアに向いている人

インフラエンジニアという職種は、特定の素質や性格が向いていると言われています。
ここでは、技術的な適性と性格的な適性の両面から、インフラエンジニアに向いている人の特徴を解説します。

技術的な適性

インフラエンジニアとして活躍するには、論理的思考ができる、細部にまで注意を払える、技術の変化に対応できる、障害や問題に対する耐性がある、自動化やシステム化の発想があるなどの技術的な適性が役立ちます。

特に論理的思考力は重要で、ITインフラの複雑なシステムで問題が発生した際に原因を特定するには、論理的に思考して切り分けていく能力が必要です。「なぜこの現象が起きるのか」を順序立てて考えられる人は、インフラエンジニアに向いています。

性格的な適性

技術的なスキルだけでなく、責任感が強い、冷静沈着である、コミュニケーション能力が高い、謙虚で学習意欲が高い、忍耐強さがあるなどの性格的特性もインフラエンジニアには重要です。

インフラエンジニアはシステム全体の安定稼働に責任を持つ立場です。「自分が担当するシステムは絶対に止めない」という強い責任感を持って業務に取り組める人は、信頼されるインフラエンジニアになれるでしょう。

また、システム障害が発生した際、パニックになってしまっては適切な対応ができません。どんな状況でも冷静さを保ち、最優先で対応すべき事項を判断できる沈着さがあると、クリティカルな状況でも的確に対応できます。

これらの特性をすべて兼ね備えている必要はありませんが、いくつかの特性に当てはまる方は、インフラエンジニアとして活躍できる可能性が高いと言えるでしょう。

インフラエンジニアの年収事情

インフラエンジニアの収入は、経験やスキルレベル、勤務先の規模や業種によって大きく異なります。
ここでは、平均年収やキャリアステージ別の年収目安、年収アップの方法について解説します。

平均年収と年収レンジ

厚生労働省が発表している「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、インフラエンジニアの平均年収は約660万円と言われています。これは全産業平均の年収496万円と比較すると、約1.3倍の水準です。

インフラエンジニアの年収は経験やスキル、担当する領域によって、おおよそ以下のようなレンジに分かれています。

  • 未経験~3年未満:350万円~500万円
  • 3年~5年:450万円~650万円
  • 5年~10年:550万円~800万円
  • 10年以上:700万円~1,000万円以上
参考:厚生労働省|令和4年賃金構造基本統計調査

クラウドインフラやセキュリティなどの需要が高い分野のスキルを持つエンジニアや、マネジメント経験を持つエンジニアは、より高い年収を得ていることも少なくありません。

キャリアステージ別の年収目安

インフラエンジニアのキャリアステージ別の年収目安は以下の通りです。

ジュニアエンジニア(経験0~3年)は、キャリアをスタートさせたばかりで、主に運用・保守業務を担当することが多く、年収は350万円~500万円程度です。この段階では基礎的な知識やスキルを身につけることが重要です。

ミドルエンジニア(経験3~7年)は、一通りの業務経験を積み、自立して作業できるレベルで、年収は500万円~700万円程度です。この段階では、設計や構築など、より上流工程の業務にも携わるようになります。

シニアエンジニア(経験7~10年)は、プロジェクトのリーダーを務めたり、技術的な側面でチームを牽引する立場で、年収は650万円~850万円程度です。このレベルでは、技術的な深い知識だけでなく、プロジェクト管理能力やコミュニケーション能力も重要になります。

スペシャリスト/マネージャー(経験10年以上)は、特定分野のエキスパートとして高い専門性を持つスペシャリストや、チームやプロジェクトをマネジメントするポジションで、年収は800万円~1,200万円以上になることもあります。

年収アップの方法

インフラエンジニアとして年収アップを目指すには、専門性を高める、資格を取得する、マネジメントスキルを身につける、転職を活用する、フリーランスとして独立するなどの方法が効果的です。

特にクラウド、セキュリティ、DevOpsなど、需要の高い分野での専門性を高めることで、市場価値が向上します。AWS、Azure、Google Cloudなどのクラウドプラットフォームのスキルは、特に重宝されています。

インフラエンジニアの将来性・需要

インフラエンジニアの将来性や需要について、市場動向と求人状況、そして技術トレンドとインフラエンジニアの役割変化という視点から解説します。

市場動向と求人状況

デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速に伴い、ITインフラの重要性は増す一方です。企業のIT投資が増加する中、クラウド移行やセキュリティ強化、基幹システムの刷新などのプロジェクトが数多く展開されており、インフラエンジニアの需要は高い水準を維持しています。

特に近年は、コロナ禍をきっかけにリモートワークが一般化し、オンライン会議やクラウドサービスの利用が急増したことで、安定したITインフラの構築・運用がこれまで以上に重要になっています。

経済産業省が発表した「IT人材需給に関する調査」によると、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されています。特に、クラウドやセキュリティといった先端分野のスキルを持つインフラエンジニアは引く手あまたの状況です。

求人サイトのデータによると、インフラエンジニアの求人数は安定して多く、特にクラウドインフラやセキュリティインフラの求人が増加傾向にあります。

技術トレンドとインフラエンジニアの役割変化

オンプレミス(自社所有のサーバー)からクラウドへの移行が加速しています。AWS、Azure、Google Cloudなどの主要クラウドサービスは年々機能を拡充し、企業のIT基盤としての地位を確立しています。

これに伴い、インフラエンジニアの役割も「物理的なハードウェアの管理」から「クラウドリソースの設計・最適化・管理」へとシフトしています。クラウドプラットフォームの知識と活用スキルがこれからのインフラエンジニアには必須になるでしょう。

Infrastructure as Code(IaC)はインフラの構築やメンテナンスをコードで管理する手法です。Terraform、Ansible、AWS CloudFormationなどのツールを使うことで、インフラ構築を自動化し、再現性や一貫性を高めることができます。インフラエンジニアには、こうした自動化ツールの活用スキルや、コードを書くためのプログラミング知識が求められるようになっています。

開発と運用の垣根を取り払うDevOps(開発と運用の融合)の考え方が広まり、インフラエンジニアの役割も変化しています。従来のように「開発チームが作ったものを運用する」だけでなく、開発の初期段階から参画し、CI/CDパイプラインの構築や、インフラのコード化を通じて開発効率の向上に貢献することが求められています。

これらのトレンドを踏まえると、インフラエンジニアには従来のハードウェアやOSの知識に加えて、クラウド、自動化、セキュリティ、DevOpsといった新しい分野のスキルが求められるようになっています。継続的な学習とスキルアップに取り組むことで、インフラエンジニアとしての将来性を高めることができるでしょう。

インフラエンジニアのキャリアパス

インフラエンジニアのキャリアパスには、いくつかの方向性があります。
ここでは、キャリアアップの方向性、スペシャリストとして極める道、マネジメント職への道について解説します。

キャリアアップの方向性

インフラエンジニアとしてキャリアをスタートした後、主に技術的キャリアパス、マネジメント系キャリアパス、コンサルタント系キャリアパス、アーキテクト系キャリアパスなどの方向性でキャリアアップを目指すことができます。

技術的キャリアパスは、技術的なスキルを深め、高度な専門性を持つスペシャリストを目指す道です。特定の分野(サーバー、ネットワーク、セキュリティ、クラウドなど)に特化して、その道のエキスパートになることを目指します。

マネジメント系キャリアパスは、チームリーダーやプロジェクトマネージャーとなり、人やプロジェクトのマネジメントに重点を置くキャリアパスです。技術力だけでなく、責任感、冷静さ、コミュニケーション力、謙虚さと学習意欲、忍耐力などの性格的な特性も、インフラエンジニアとして活躍するためには重要です。

コンサルタント系キャリアパスは、インフラに関する専門知識を活かして、クライアントの課題解決を支援するコンサルタントとしての道があります。技術的な知識に加えて、ビジネス視点での課題分析や提案力が必要です。

スペシャリストとして極める道

インフラエンジニアとしてスペシャリストを目指す場合、サーバースペシャリスト、ネットワークスペシャリスト、クラウドスペシャリスト、セキュリティスペシャリスト、DevOpsエンジニアなどの専門分野があります。

例えばサーバースペシャリストは物理サーバーや仮想サーバーの設計・構築・運用に特化したスペシャリストです。Windows Server、LinuxなどのサーバーOS、仮想化技術、ストレージ技術などに詳しいエンジニアが該当します。スキルアップのポイントとして各種資格の取得、仮想化技術の深い理解とスキル習得、大規模サーバー環境の設計・運用経験などが挙げられます。

マネジメント職への道

技術的なスキルに加えて、人やプロジェクトのマネジメントに興味がある場合は、チームリーダー、プロジェクトマネージャー(PM)、インフラマネージャー、IT統括マネージャー/CIOなどのマネジメント職を目指すキャリアパスがあります。

マネジメント職を目指す場合は、技術スキルだけでなく、リーダーシップ、コミュニケーション能力、プロジェクト管理能力、ビジネス視点、戦略的思考といったスキルやマインドセットの習得が重要です。

未経験からインフラエンジニアを目指す方法

インフラエンジニアはIT業界の中でも比較的未経験からチャレンジしやすい職種です。
ここでは、未経験からインフラエンジニアを目指す方法について解説します。

必要な準備と学習方法

未経験からインフラエンジニアになるために必要な準備と効果的な学習方法として、基礎知識の習得、資格取得の準備、コミュニティへの参加、ポートフォリオの作成などがあります。

まずはITインフラの基礎知識を身につけることが大切です。コンピュータの基本的な仕組み、OSの役割と基本的な使い方、ネットワークの基礎知識、サーバーの役割と種類、セキュリティの基礎について学びましょう。

また、知識だけでなく実践的なスキルを身につけるために、仮想化ソフトを使って自宅でサーバー環境を構築する練習をしましょう。クラウドサービスの無料枠を活用して、クラウドインフラの構築を体験することもできます。

効果的なエントリー戦略

未経験からインフラエンジニアとして就職・転職するための効果的なエントリー戦略として、未経験者向けの求人を探す、経歴・スキルのアピール方法、インターンシップやトライアル雇用の活用、転職エージェントの活用、志望動機の準備などがあります。

未経験からインフラエンジニアを目指す場合、「未経験可」「第二新卒歓迎」のインフラエンジニア職や、「インフラ運用」「サーバー監視」などの運用・保守職を探すと良いでしょう。

未経験であっても、取得した資格と学習してきた内容、自主的に取り組んだプロジェクトやポートフォリオ、前職での経験のうちインフラエンジニアに活かせそうな要素をアピールすることで採用される可能性が高まります。

まとめ

インフラエンジニアとして活躍するためには、基礎からしっかり学ぶ、実践的なスキルを磨く、継続的な学習を習慣にする、専門性を磨く、コミュニケーション能力を磨く、キャリアプランを明確にする、実務経験を積むことが重要です。

インフラエンジニアは、IT業界の中でも安定した需要があり、スキルを磨けば磨くほど市場価値が高まる職種です。また、クラウド化やデジタルトランスフォーメーションの進展に伴い、その重要性は今後も増していくでしょう。

本記事が、インフラエンジニアを目指す方や、すでにインフラエンジニアとして働いている方のキャリア構築の参考になれば幸いです。

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